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灰夜-新宿鮫VII-

著者
大沢在昌

新宿鮫 第7作。
これまでコンスタントに良作を生み出してきた「新宿鮫」シリーズだが、今作はちょっと疑問符のつく完成度だった。しかも具合の悪いことに、今作の冒頭には、シリーズ最大の謎である、鮫島の同僚「宮本」の遺書絡みの話がある。ある意味、切り札的な設定を持ち出しておきながら、この出来ということが、今後のシリーズ展開に対する微妙な不安を感じずにはいられなくさせられてしまう。
舞台が新宿ではなく、鹿児島の田舎、というのもあまり良い選択だったとはいえないのではないだろうか。狭い地域社会での出来事の話なので、妙に物語のスケールが小さいし、シリーズおなじみの人物達が誰も登場しない。シリーズ通して読んできた身には、なんとも寂しい感じがしてしまうのだ。
やはり、新宿の混沌とした街にあってこその「新宿鮫」なのだと再認識した次第。