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| 初期の宮部みゆきといえば、超能力モノのイメージが強かった。「龍は眠る」とか「レベル7」とか。 この「クロスファイア」も炎を自在に操る能力を持った女を主人公に据えており、その超能力モノの系譜に属する、宮部作品としては本流に位置する作品なのかもしれない。 「クロスファイア」には、前段にあたる中篇「燔祭」が存在し、内容的にも大いにかかわりがあるらしい。「燔祭」は読んだことないのだが、本作中でしっかりフォローはされているので、続編モノにありがちな説明不足とか、唐突な展開というのはなかった。その辺はさすが宮部作品と言うべきか。 しかし、全体としてみると若干物足りなさを感じる。物語が終盤に差し掛かるところで秘密結社「ガーディアン」の存在が浮上し、ストーリーの方向性が定まるのだが、そこに至るまでは、個々のシーンこそ派手で印象的な反面、単に主人公がやたらめったらに私刑を繰り返しているだけのようにも思えて、興を削がれた思いはある。主人公の感情が妙にしゃっちょこばってるように思えるのも「宮部」らしさを感じられなかった一因かも。しかし、彼女が頼るべき存在を見つけてからどんどん「人間っぽく」なっていく姿は面白かったのだが。 読み終えてから、作品全体を思い返してみると、ラストシーンから書き始めた印象がある。だから、逆にそこにたどり着く過程が不自然に感じられたのかも。確かにラストシーンは印象的だったのだが・・・ と、徒然なるままに思い返してみても、宮部作品としては、どうも珍しく煮え切らない感じのする内容だった。 |