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ドリームキャッチャー

著者
スティーヴン・キング

 モダンホラーの帝王、S・キングの最新作。とはいえ、このドリームキャッチャーはホラーとかSFとか、そういう一言のジャンルではくくり切れない間口の広さはあるのだが、逆にそれが全体として散漫な印象を残しているようにも思える。。

 あらすじを言ってしまえば、謎の宇宙人からの侵略から地球を守る、という余りに安易なSFのように見える。しかし、その宇宙人の設定が一風変わっており、物語中盤までは、真の意味での「敵」が誰なのか分からない。そういう意味での不気味さはある。

 が、全体を通してみると若干だれ気味の感がないでもない。物語が一貫してアメリカ北部の森林の中で繰り広げられるため、舞台のバリエーションが乏しいこと、それに、人間関係の軸のひとつである、宇宙人迎撃部隊の隊長カーツとその部下オーウェンの確執の背景がやや読み取りにくいこともある。なぜ、カーツがそこまで執拗にオーウェンを敵視するのか、その理由は結局最後まで理解できなかった。

 ひとつ良かった点を上げるとすれば、もう一方の主役たちとでも言うべき、ハンター4人組と「ダディッツ」と呼ばれるダウン症の男との交流が実にハートウォーム系のなかなか感動的な話だったことかな。その回想シーンの暖かい思い出ゆえに、極寒の地で正体不明の存在に襲われる4人組の悲劇が浮き彫りになっている。
 このダディッツの物語があるから、若干読みにくい話にも関わらず、最後まで読み通せたのかもしれない。