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| スペースオペラ系のSFにはシリーズものが多いと思うのは気のせいだろうか。 もし、そのシリーズが気に入ったものである場合は、ドンドン続編が出るから読者としても楽しいのだろうが、乗り遅れた人にとっては、途中から手を出すことに躊躇してしまうのは確か。しかし、シリーズものを避けていると、SFものは何も買えなくなってしまうのだ。しかしスペースオペラもたまには読んでみたい。で、とりあえずシリーズものだと分かっていたけど、勢いで購入してしまったのが今作。 「マイルズ」シリーズとでも言えば良いのだろうか。辺境惑星の貴族にして傭兵艦隊の司令官でもある「マイルズ」の活躍を描いたシリーズの最新作が、この「ミラーダンス」。 ただ、今作はシリーズの中でも異色作にあたるようだ。というのも、主人公であるはずのマイルズはストーリー序盤で早々に物語から退場してしまい、話のほとんどは、マイルズのクローンを中心に進められている。過去に複雑な経緯があったらしく、そのクローンはマイルズの父親を暗殺する使命を帯びているが、そのことに疑問を感じ始めている。「ミラーダンス」の主題は、そのクローンの様々な心理的葛藤にあると見ていいんだろう。 。 これまでのストーリーでは敵側にいた人物が主人公となっているおかげでマイルズの周囲というものがいちいち描写され、シリーズになじみのない自分にとっては、ストーリーに入りやすかったところはある。そういう意味では、「マイルズ」シリーズの中でも、この作品を選んだのは僥倖だったといえるかもしれない。 しかし、この作品そのものを俯瞰してみると、ストーリーの山場と言うものが存在せず、いまいち気分が乗らないままに終わってしまった印象がある。マークの「クローンであるが故の悩みとそこからの開放」というコンセプトそのものは見えてくるものの、どうにも説明的に過ぎると思えるのだ。物語の舞台が傭兵艦隊である割には、アクションシーンも余り存在しないし、作品世界の全貌を掴みきらないうちに終わってしまった印象だ。 シリーズを通して読んできた人であれば、それまで敵対関係にあったマイルズ・バラヤー家とマークの位置関係が劇的に変わるという節目でもあり、それなりに楽しめるのだろうが、その因縁を良く知らない段階で読んでしまった自分にとっては、その辺りのカタルシスを得られないというか、そういうもどかしさが残る作品であった。 |