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| ある広告代理店が前社長の放漫経営から一気に破産に追い込まれる様を、破産時の社長が自ら記したノンフィクション。しかもすべて実名表記と言うのが画期的というか、無謀というか・・・なかなか見られないスタンスで描かれている。 著者の前社長への個人的な恨みが散見される部分もあるが、基本的には努めて冷静に、資金繰りが悪化し転落していく会社と自分を描いており、かなりの迫力がある。個人的に、この手の話にまったく縁がないわけじゃないんで、背筋を寒くしながらも読み切った。 ただ、この著者はかなりお人よしというか、善良にいき過ぎて最悪の状況に陥った節はある。経理部長が音を上げた時点で、さっさと逃げるか、弁護士でもつけて法的整理に入るのが無難なところだったのだろう。 しかし、それはこちらが観察者であるから言えることなんで、やはり当事者となるとなかなか簡単には踏み切れないのだろうな。その辺の認識のずれなども、読んでて直に感じることができ、素直に「勉強になるな」という感想を得られる話だった。 単に、読み物という側面から考えると、この倒産の遠因を作った前社長の見解も読みたかった気持ちはある。それによって、この倒産劇をより立体的に見ることができ、更に深い内容になったのではないか。 現実的にはかなり難しいことなのかもしれないが、しばらく時間を置いて、関係者が冷静になったところで、もう一度続編が読むことが出来れば良いのだろうな。 |