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| 夜のニュースショー「ナイトステーション」のキャスター・立花とプロデューサー香奈子を軸に「テレビが最も影響力を誇った時代」90年代中ごろのマスコミ業界を描いている。 モデルは明らかにテレビ朝日「ニュースステーション」。実在の人物なんかも登場して、半ノンフィクションの様相を呈した小説だ。 その舞台設定の着眼点はいいと思う。今のようにインターネットが多大な影響力を持つ前夜。マスコミとして圧倒的な力を持っていた「テレビ」というメディアの魔力の前に悪戦苦闘する立花たちは一つの時代の象徴として興味深い。 しかし、構成力のまずさが、その舞台設定を台無しにしてしまっている。取材した要素をすべて詰め込もうとしているのか、登場人物や事件が多方向に拡散し、ストーリーの中心にあるべき「医師殺人事件とナイトステーションとの絡み」が完全にぼやけてしまってる。いや、本来ストーリーの中心にあるべきなのは、立花と香奈子の関係なのか?そう迷ってしまうくらい、方向性がはっきりしない。 登場人物も中途半端に多い。端役は思い切って削ったほうが、本来の主役である立花と香奈子をより鮮明に印象付けることが出来たのではないだろうか。 それともうひとつ気になったのが「ネット」の存在。 この物語の舞台は阪神大震災が起きる前、94年を舞台にしている。このころインターネットは国内ではほとんど普及しておらず、携帯電話がやっと売れ始めたころだったのではないか。 しかし、登場人物たちはノートPCでガンガンモバイル。ネット上のBBSやらアングラサイトが妙に力を持ってる。あまつさえ、TV局のLANに一般回線からハッキングなど、この時代ではおよそ困難なことだったはずだが、素人はだしのハッカーがいとも簡単にやってのけている。 どうも、ここ数年のネット事情を90年代中盤に適用しているようで、違和感のある展開だった。 その辺含めて、もうちょっと「何を軸にしたいのか」をはっきりさせとけばよかったのに。そう思わずにはいられない残念な作品だった。 |