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| <描きこまれたグラフィック> PC88で一斉を風靡したRPG、Ysシリーズのなかでも特に人気の高い「YsII」のリメイク版です。リメイクには定評のある日本ファルコムの作品らしく、徹底した作品の洗い直しが行われています。 特にグラフィック関係の改良は目を見張るものがあります。最近はRPGといえども、PC、コンシューマともにポリゴンを用いた3Dグラフィックが主流となっていますが、なかなか「美しい」と言える作品は出てこないのが現状ですが、その中で敢えてポリゴンを使用せず、ドット絵を極限まで描きこんだ美麗な作品を提供するファルコムの姿勢には、頭の下がる思いです。しかも、単に華美にするだけではなく、きちんとPC88版などの旧作のイメージを壊さないように気を配ってる点が、並みの移植作とは一線を画しているといえるでしょう。 |
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<追加要素が充実> グラフィック以外の大きな改善点といえば「冒険日誌」が挙げられるでしょう。Ysシリーズの設定として「主人公アドルが体験した数々の冒険の自伝的小説である」ということがありますが、この設定を生かし、「冒険日誌」にはゲームの進行にあわせた物語が記載されていきます。記載されるのはストーリーだけではなく、これまで登場した街の人物の細かい設定や遭遇したモンスターのデータまで、多岐に及びます。こういったゲームに直接影響しない詳細な設定は「設定資料集」などとして別途本で出版されるのが普通ですが、敢えてそれをせず、ゲームの中にこの要素を入れ込んでしまうところに、ファルコムのファンサービス精神を感じます。 また、マスコット収集や2周目でのやや異なるストーリー展開など「YsII」という舞台を徹底的に遊び尽くそうという姿勢が感じられ、この点で非常に好感が持てます。 <新規ユーザーは置き去りか> このように、旧来のYsファンとしては感涙に堪えないほどのサービス振りなのですが、如何せん、10年以上前のゲームを土台にしているため、ストーリーや謎解きに関しては、最近のゲームに慣れた身にとってはやや違和感を感じるところが多いのも事実です。あまり具体的なヒントが表示されることのない謎解きは、旧作をやったことのない人にとってはやや唐突な印象を受けるでしょうし、旧作をプレイした経験をもつ僕自身でさえ、10年間という時のギャップを感じざるを得ないようなシーンが幾つかありました。これは古いゲームのリメイクにとっては不可避の問題点であり、克服が困難なことはわかるのですが、気になる点として指摘せざるを得ないところでもあります。 |
| <過剰な演出も…> また、瑣末なことですが、戦闘シーンにおいて敵を倒したときの残虐表現。これにはかなりの違和感、作品世界からのギャップを受けました。もともとこの作品は「優しさ、感動」を謳ったシリーズであり、無意味に血肉の飛び散るような表現を挿入することは作品の雰囲気を壊すことに繋がってしまいます。僕は途中から「流血表現なし」というオプションを設定しましたが、この「流血表現」の切替機能をつけるのなら、「流血表現なし」をデフォルトにして欲しかったと思ってます。 <最後のYs> 今回のリメイクは、おそらくYsとして見せられる最高の作品であり、最後の作品になると思います。Ysという作品の雰囲気を壊さないためにはこれ以上のリメイク、改良は不要のものであり、もし将来これ以上の改良を謳った作品が登場したとしても、おそらくゲームのシナリオ、基本システムのほうがついて来れないでしょう。そういう意味において、このゲームは絶妙なバランスの上にたった職人芸的な作品といえると思います。 |
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