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ジェット セット ラジオ

機種 メーカー 発売日
DC セガ 00/6/29

レビュー日 レビュー時の状況 日記(ネタバレ注意)
00/10/7 クリア ジェット セット ラジオ
ジェットセットラジオシリーズ
ジェットセットラジオ フューチャー

<上達する楽しさ>
 アクションゲームの本来持つ楽しさ、というものを再認識させてくれるゲームでした。その「本来の楽しさ」とは、「上達する喜び」とでもいうんでしょうか。
 ゲームを始めてからしばらくは、その独特の操作感覚になかなか指先がついていかず、コントローラーを放り出したくなることもしばしばです。しかし、そこをぐっと我慢して、ちょっと細かい操作なんかを覚えていくと(ここで言う「覚える」は、頭で覚えるのではなく、指先で覚えるということ)、ある時点で、いきなりゲームの世界が大きく広がったように感じられるようになります。それは、プレイヤーが「ゲームの操作を掴んだ」瞬間なのです。そしていつの間にか、キャラクターを思い通りに動かせるようになった自分に気づきます。
 ゲーム開始時の操作に苦労させられるだけに、この「キャラクターが自由に動かせようになった喜び」というのが一層強く感じられるのです。それまでは、妙な慣性がかかっているとしか思えなかった、ローラーブレードの動きが、むしろ求める操作をするためには必要不可欠のもののように感じられるようになり、「とてもたどり着けないのでは?」と思っていた場所にあっさり到達できるようになる。アクションゲームの真髄ここにあり、といったところです。
<とんがったデザイン>
 一方、グラフィックやBGMなど、ゲームそのもののもつ雰囲気は、上記のような求道的なゲームバランスとは一線を画したとんがったデザイン。これが不思議と違和感なく、すんなり受け入れる事ができるのです。音楽も一緒。変にこういう「クール」な感じの雰囲気を出そうとするゲームは往々にして、ゲームの世界観だけが一人歩きしてしまい、却ってプレイヤーを置き去りにしてしまうものですが、このゲームは、いかにもそういう雰囲気をもつにもかかわらず、しっかりとした存在感をもってプレイヤーを取り込んでしまいます。これもひとつのセンスというものなのかも知れません。
 雰囲気といえば、このゲーム独特の「マンガディメンション」と呼ばれるグラフィックは非常に興味深いものです。ポリゴンキャラのはずなのに、まるでそのようには見えず、2Dの絵のように見える処理がなされています。色のメリハリ等もかなりコントラストを意識してくっきり付けているので、夜間ステージの一部を除けば、3Dゲームにありがちな、状況判断の困難性というものを上手く排除できています。
<敷居の高さをどう捉えるのか?>
 問題点としては、ちょっと処理落ちがあることくらいでしょうか。これはアクションゲームとしてはかなり致命的な欠陥といえます。が、ゲーム自体の持つパワーでねじ伏せてしまってますね。それほど気にはなりません。
 それと、序盤の敷居の高さも、問題点の一つとして挙げなければいけないところかも知れません。序盤で操作を覚えてしまえば、特に問題はないのですが、そこに至る過程がちょっと厳しいために、ここでゲームそのものを「投げて」しまう人もいるのではないか、と思われるのです。中盤以降、一気にゲームが面白くなるのに、そこに到達する前にこのゲームをあきらめてしまうのは、非常に勿体ないことなのですが、このゲームには、そういった人に対する配慮は一切されていません。最近のアクションゲームには当たり前のようについてくる難易度選択もありませんし。ただ、それほどまでにして序盤の難易度をやや高めに設定したのは、先に書いた「アクションゲーム本来の楽しさ」を実現するためには必要な事だったのでしょうし。この辺のバランスというのが難しいところですね。個人的にはギリギリクリアできるレベルでした。これ以上難しい部分があったら投げ出していたかも知れませんが・・・そういうバランスの危うさを持ったゲームでもあります。