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ファイナルファンタジーIX

機種 メーカー 発売日
PS スクウェア 00/7/8

レビュー日 レビュー時の状況 日記(ネタバレ注意)
00/9/3 クリア ファイナルファンタジー IX
ファイナルファンタジーシリーズ
ファイナルファンタジーX

<大作ゆえ・・・>
舞台装置を見てみれば、これはいわゆる普通のファンタジーRPGです。フィールドを探索して、ランダムエンカウントの敵を倒して。ただ、それぞれの要素にそれなりのこだわりが見られ、DISK4枚組の大作に相応しい内容を備えているとは思います。と同時に大作ゆえの欠点も散見されます。いずれに主眼を置くか、でこのゲームの評価は変わってくるかも知れません。

<独特の重厚な世界観>
ゲームの雰囲気は、最近の和製RPGにありがちなライトなファンタジー的世界観とは一線を画した、やや重厚な印象もある独特の雰囲気を持っています。敢えて言うなら「ヒロイックファンタジー的」。舞台となる世界を覆い尽くした霧が、そういったイメージをかもし出しています。
 町並みのグラフィックなどは、完全に中世欧州世界のそれですが、時々妙に大掛かりな機械が出てきたり、普通の人間と獣人が違和感なく存在していたりします。特に、後に挙げたの人間のタイプに関する設定。これは結構珍しいモノじゃないでしょうか。ネズミ人間だとか、キョンシーのような化け物的キャラクターが普通にそこにいて、珍しがられたりはしない。
 しかし、そういったことが違和感に繋がることはありませんでした。演出の仕方が上手いんでしょうね。キャラクターの行動が「自然」なんです。「現実世界」から見れば特殊な世界観を殊更に強調したりしない。それがプレイヤーを素直にこのゲームの世界に引き込むことに成功しています。
<説明不足のストーリー>
 その世界観を背景に展開するストーリーのほうはというと・・・ちょっと支離滅裂な感じは否めませんでした。個々のイベントを見れば一応首尾繋がってる話にはなっているのですが、時に話が突飛な方向に飛んだりします。これはおそらくさっき書いた「自然な」演出の悪い面が出てしまっているんでしょう。「自然に」行動させようとするあまり、その行動にいたる背景をプレイヤーに十分説明する余裕がないんですね。また、全体のストーリーを見ても、物語後半の展開に対する伏線が序盤にほとんど張られていなかったりするために、尚更そういうストーリー上の支離滅裂な印象が増してしまうのでしょう。加えて中盤のストーリー的な中だるみも痛いですね。ここを本筋に沿ってしっかり描いていれば、終盤のやや難解かつ唐突な印象もやや緩和されたのではないかと思います。
 きっと、ストーリー上、詰め込みたい内容が多すぎたのでしょう。それを十分に消化しきれないままに終わってる感じです。

<ムービーは必要だったのか?>
 このゲームでは、イベントの合間あいまにムービーシーンが多数挿入されていますが、これは必要なことだったのでしょうか?ムービーの質は非常に高いのです。そのまま映画に出来そうなくらい。でも、そのムービーでは一切台詞が入らず、画面と音だけで状況を説明しようとしています。そのため、その前後のストーリーから、このムービーのシーンだけが浮いてしまってるのです。ゲームの流れというものを大切にするのなら、あえてムービーシーンを入れる必要はなかったのではないでしょうか。通常のシーンのグラフィックでも十分美しいのですから、ムービーじゃないと表現できないということはなかったのでは?
<アビリティシステムは秀逸>
 他方のゲームシステムの面は・・・
 まず、RPGのお約束、戦闘シーン。やや開始時のロード時間が長いうえ、コマンド入力が可能になるまでにもかなり待たされます。戦闘の演出にかなり高度なグラフィックを実現しているのですから、多少ロードが長くなるのも仕方ないのですが、できればもう少し短くして欲しかったですね。エンカウント率がやや高めであるだけに余計その思いは強かったです。ただ、一度始まってしまえば、テンポはなかなか軽快で、飽きさせない内容になってるとは思います。
 アイテムを装備することで、そのアイテムに隠された能力を身に付けることができる、というアビリティシステム。これが結構秀逸です。普通のRPGだったらポイ捨ての感覚が強い各種アイテムの存在感をかなり高めることに成功しています。アイテム探しとアビリティ探しが連動しているから、アイテム探しにも自然と熱が入ります。主人公が敵からアイテムを盗むことが出来るため、雑魚敵との戦闘に「このアイテムを盗むことが出来るか?」という面での緊張感を出すことにも成功してます。他には目新しいシステムはなかったのですが、このアビリティシステム一つで十分にこのゲームらしさを表現できていると思います。

<人を選ぶ内容>
 そんなところでしょうか・・・。大作ならではの豪華な雰囲気と重厚な世界観は印象的です。いろいろやりこみ要素もあります。でも、それ故にやや大味で全体としてまとまりに欠ける印象はぬぐえないのです。誰にも薦められる、という内容ではないですが、やればやり応えのある佳作、というところでしょうか。