トップへ戻る
「ゲームレビュー」インデックスへ戻る
エターナルアルカディア

機種 メーカー 発売日
DC セガ 00/10/05

レビュー日 レビュー時の状況 日記(ネタバレ注意)
01/01/13 クリア エターナルアルカディア

<RPGの一つの理想形>
 DCのRPGは、数としてはあまり存在しないのですが、それぞれの作品がなかなかの高水準にあると思います。その中でも最上位に位置付ける事に異論は少ないであろう作品、それがこの「エターナルアルカディア」です。タイトルであるところの「永遠の理想郷」。その名に相応しい、RPGとしての一つの理想である、飽くなき「冒険活劇」が見事に具現化されています。

<冒険の魅力あふれる物語世界>
 まず、「浮遊大陸を自在に空賊たちが飛び回る大航海時代」という舞台設定が秀逸。未知なる世界への大航海、というのは冒険物語の一つの王道ですが、ことRPGとなると、意外にもそういう設定は少なかったのではないでしょうか。例えそういう設定をしてもそれを消化しきれるだけの物語の描写力とか、舞台装置(演出)が十分に出来ない面があったと思うのです。しかし、この作品は、見事に壮大な世界設定を消化し、プレイヤーを「エターナルアルカディア」の世界にいざなう事に成功しています。加えて、その舞台で繰り広げられるストーリーも次から次へと息つかせる暇もなく気持ちよいテンポで展開されていきます。
<登場人物の描写も秀逸>
 世界設定もさることながら、この世界を所狭しと暴れ回る登場人物たちの明快なキャラクターもまた、非常に魅力的です。特に、どんな苦境にも決してへこたれることなく、夢を追いかけて走り続ける主人公。近年、ここまで魅力的に描かれた主人公はなかなかありませんでした。考えてみれば、プレイヤーが最初から最後まで付き合う人物=主人公なんですから、その人物が魅力的であれば、物語も自然、魅力にあふれたものとなるのは当然の事です。
 また、敵である大帝国の将軍たちも、その場限りのおざなりなものではなく、それぞれに幾度となく活躍の場が用意されています。この敵味方が織り成すストーリーが、幾重にも絡み合いながらも、変に複雑になりすぎることもなく、最後までまさに駆け抜けるように進んでいきました。
 この世界観とストーリーは、本当に秀逸です。

<戦闘のテンポはもうひとつ>
 一方で残念だったのが、戦闘シーンの完成度がやや低かった事でしょうか。
 この作品の戦闘には、通常の戦闘シーンの他に、艦隊同士が砲撃しあう艦隊戦が用意されています。艦隊戦は、序盤こそプレイヤーのとれる行動が限られているため、単調な展開になりがちなのですが、装備が充実してくる後半になると、それらの装備を利用して、どのように砲撃を組み立てるか、という一種パズル的な要素が加わり、やり応えのあるものになります。この艦隊線は一つの試みとして成功だったと思います。
 しかし、通常戦闘がやや厳しかったですね。戦闘開始時のロード時間もかなり長いですし、戦闘開始後も、コマンドの合間や攻撃を始めるまでにちょっとした間が入ってしまい、テンポがかなり悪くなっています。後半になると味方が反則的に強力な技を使えるようになる事もちょっと緊張感を削ぐ事につながっています。
 ストーリーが素晴らしいものであったために、この戦闘シーンさえもうちょっとどうにか出来ていれば・・・という思いはぬぐえませんでした。
<物語に沿ったシステム>
 その他のシステム面はなかなかの出来です。浮遊船を用いる特殊なフィールド移動方法も、最初はやや戸惑いますが、慣れてくるとまさに「世界」を自由に飛びまわれるという感覚が楽しくなります。やや移動速度がゆっくりしている印象もありましたが、世界の広さを肌で感じる事のできる、ちょうど良い速度ではないかと思います。
 また、本拠地を造営したり、仲間となる船のクルーを見つけてきたり、といった、遊びの要素もゲームの世界観・目的に沿ったものであるため、いわゆるコレクション目的の探索が、ゲームの本筋から浮いてしまう事もありません。むしろ、主人公の行動原理からして、物語の中心的な目的はこちらのコレクションのほうにあるのではないかと思われるほどです。

<2000年最高のPRG>
 戦闘シーンの一部のバランスの悪さに目をつぶれば、これはまさに「RPGとは、かくあるべし」という感じのする、素晴らしい作品です。2000年は、いろいろRPGの大作が発売されましたが、この「エターナルアルカディア」は、その中でも最高の作品であったと断言できるでしょう。すべて終わったあとの、さわやかな余韻、感動が心地よい作品でもありました。