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| 田舎に引っ越してきた姉妹と森の妖精トトロとの交流を描いたファンタジー。いわゆる「古きよき時代」のノスタルジーが全面に出てきている作品で、陳腐な表現だけど、「心あたたまる」という言葉がよく似合う作品だと思う。 見ていて一番強く感じたのは、作品全体に現れている親子愛、姉妹愛の美しさ。ただ、現代の視点から見ると、その美しい家族愛すらファンタジーの一部に見えてしまうのは悲しいことだが・・・ |
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主人公のさつき・メイ姉妹は、5、6歳は年が離れているのだが、とても仲のよい姉妹として描かれている。個人的には、しっかりモノの姉・さつきよりは、家族を思う気持ちをストレートに行動に出すメイの方が好きかな。ラストの迷子騒動でも、結果としてはメイが周りに一番迷惑をかけたのだけど、逆に一番「家族」を思う気持ちが強かったのもメイだったんだよね。病の床にある母が一刻も早く退院し、家族みんなで笑顔で過ごしたい。その一心で「元気になる」トウモロコシを母に届けようとしたわけで。こういうストレートな行動が純粋に感動的なんだ。 それと、父親。これはまさに団塊の世代とかあの辺りの理想の父親像なんだろうな。子供に対する理解が非常に深い。さつきやメイが「トトロに会った」と言っても怪訝な顔一つせず、上手く諭してやっている。でも、家族愛をストレートに行動で示しているメイやさつきに比べると、ちょっと「作った」感じがしてしまうのは残念なところ。 それは母親にも言えることかな。だからといって、この作品全体に流れる家族愛賛歌というべき雰囲気が損なわれるものではないのだけれど。 |
| タイトルにもなってるトトロ。これが個人的にはこの映画の中における位置づけが難しいのだ。優しくも愛らしいキャラクターを持ってるのは確かなんだけど、作品全体からすると、それ以上の存在ではないように見えてしまったな。神話がまだ生きている田舎の空気がさつき・メイに見せた夏の夜の夢、といったところか。 ただ、存在感は非常に強く感じられるんだよな。別にそこにいてもおかしくないっていうか、まさにタイトルどおり「となり」にいる感覚。きっと50年ほど前まで、日本にはこういう生き物がいたんだろうな、って気はする。それが実在していたかどうか、という問題じゃなくて、精神的な存在として。 ま、そんな感じで、理屈はいくらでもつけようと思えばつけられるんだろうけど、やっぱり見ていて和める映画ってのはいいな、と素直に思ってしまう映画でもある。トトロはかわいいし、田舎暮らしも楽しそうだし。村の人たちは親切だし。理想的な田舎暮らしを堪能できる映画でもある。そんな点も含めて名作、と言えるのだろう。 |
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